AGAは「Androgenetic」(男性的特徴を生じる)と「Alopecia」(脱毛症)という2つの単語を組み合わせでできた言葉で、日本語で「男性型脱毛症」と訳されます。
AGAは薄毛・禿げの中でも、思春期以降に症状が現れる成人男性特有の進行型の脱毛症のことを言います。
生え際や頭頂部から毛髪が薄くなるのが特徴で、主な原因は遺伝や男性ホルモンの影響があげられます。
おおまかな数字ですが、日本人男性の3人に1人はAGAの疑いがあると言われており、近年AGA治療の需要も高まっています。
AGAを発症する年齢はバラバラで、早い人は10代から薄毛を自覚する人もいます。 AGAの初期の症状は、額の生え際ラインの後退や頭頂部の髪のコシが弱くなるなどです。地肌が透けるようになる頃にはだいぶ症状は進行していると推測されます。
AGAの最大の特徴は「進行性」の脱毛症であるということです。AGAは自然に治ることがなく、治療をしなければ時間の経過とともにどんどん進行していきます。それゆえにAGA治療は早期発見および早期治療開始が肝要と言えるでしょう。
実際、早期に治療を始めた方は毛髪の回復までの期間が短く、逆に、AGAが完全に進行してから治療を始めた方は治療効果が限定されています。少しでもAGAの疑いがある方は、早めに専門クリニックでの毛髪診断を受けることをおすすめします。
AGAが発症する原因は主に遺伝ですが、生活習慣における複数の原因が複雑に重なりあって発症する場合もあります。
AGAは、男性ホルモンであるテストステロンが酵素“5αリダクターゼ”と合体することで、髪の成長抑制や抜け毛の増加を促進するジヒドロテストステロン(DHT)に変換され発症します。
遺伝するのは“5αリダクターゼの活動量”です。“5αリダクターゼの活動量”には個人差があり、5αリダクターゼの活動量が多い体質=薄毛遺伝子と位置付けることができます。
もう一つの薄毛遺伝子は“アンドロゲンレセプター”の感度です。“アンドロゲンレセプター”は毛乳頭に存在する器官で、髪の成長抑制や抜け毛の増加を促進するジヒドロテストステロン(DHT)を感知するとヘアサイクルを乱し、髪の毛の成長を抑制します。アンドロゲンレセプターの感度が高い体質=薄毛遺伝子と位置付けることができます。
これらの遺伝によるAGA発症リスクは、クリニックで遺伝子検査をすることで予測することが可能です。
ストレスや生活習慣が直接AGAの発症の原因になるというメカニズムは、医学的には立証されていません。しかし、ストレスや生活習慣の乱れは頭皮の血流を悪化させ、毛髪の育成に必要な栄養素を頭皮に行き届かなくするため、AGAの進行を促進する要因になると考えられています。そのため AGAを改善、予防するためには生活習慣の見直しが必要不可欠と言えます。 AGA進行に悪影響を与える生活習慣は以下の通りです。
・運動不足
・多少の喫煙習慣
・過度なストレス
・睡眠不足、睡眠の質の低下
・多量の飲酒習慣
・栄養の偏った食事
AGAの発症には、男性ホルモンであるテストステロンの働きが大きく関係しています。
1 5αリダクターゼ(髪を生成する毛母細胞内に存在する還元酵素)が突如活発化し、
2 テストステロンと結合することで、ジヒドロテストステロン(DHT)が作られます。
3 このDHTは毛包に攻撃を与え、ヘアサイクルの「成長期」を少しづつ短くしていきます。その結果、毛乳頭が委縮し毛母細胞の成長が抑制され弱毛化が進み、AGAを進行させます。
AGAの改善には脱毛の原因となる男性ホルモン・DHT(ジヒドロテストステロン)の活動を抑制する治療がが有効です。 しかし AGAの進行が進み、毛母細胞が完全に死滅している段階では、このアプローチでは太刀打ちできず発毛効果は見込めません。
つまり、AGAは毛母細胞が死滅する前に、早期に治療を開始することが最も重要なのです。AGAは毛髪を産生する毛包が残っている限り、短くなってしまった「成長期」を伸ばすことで、髪を復活させることができます。
AGAは適切な医療機関で早期の診断を受け、正しい治療を早めに行うことによって高確率で症状を抑えこみ、薄毛を改善することができるのです。
専門クリニックでのAGA治療は主に内服薬や外服薬の利用が中心ですが、他にも毛髪再生力を高めるHARG療法や成長因子剤を頭皮に直接注入する治療などもあります。
当院では、発毛治療としてエクソソームを頭皮に注入する「 HARG+(ハーグプラス)療法」、抜け毛治療「ザガーロ」「ルクゼバイブ」「プロペシア」「フィナステリド」、育毛治療として「ミノキシジル」を院内処方しています。